ここまでで職務経歴書に記載する素材は出揃いました。今回は最後の詰めとして、実際の書面に落とし込んでいきます。新聞も読者が見やすいように紙面を編集しますよね。職務経歴書も読み手のことを考えて形をきれいに整えましょう。ここが終われば書類作成はひとまず完了です!
読み手を意識しながら作り込む
整理部を経験したことがある方はよくお分かりになると思いますが、出稿部門から上がってきた原稿を読みやすく組み上げ、記事の内容にピッタリと合った目を引く見出しを付けるプロセスは、整理記者の腕の見せどころです。
これまで皆さんには、自分のキャリアを掘り下げ、その内容をまとめていただきましたが、これらはいわば取材記者の仕事。
ここからは整理記者として、読み手を意識しながら、実際の書面に落とし込んでいきましょう。
とはいえ、一からフォーマットを考えてつくっていくのは正直大変。
ということでオンライン上に掲載されている既存フォーマットを積極的に活用するようにしましょう。
ちなみに私は、リクルートエージェントのスタイルがよくまとまっていて使いやすいのではないかと思いますので、回し者ではありませんが、おススメとして挙げておきます(もちろん自分が使いやすいと思うフォーマットを活用すれば大丈夫です)。
A4・1〜2枚、多くても3枚まで
さてキャリアの長さにもよりますが、原則として職務経歴書はA4・1~2枚、多くても3枚にまとめます(それ以上多いと、目を通す方が大変ですよね)。
構成は、①職務経歴概略、②職務経歴(「職務経歴書を書いてみよう①」で紹介)、③自己PR(「職務経歴書を書いてみよう②」で紹介)、④現職企業概要、の順で記載していきましょう。
①職務経歴概略は、②職務経歴で記述している内容を、簡潔に説明するものです。
要するに記事のリードだと思ってください。
イメージとしてはこんな感じです。
(例) ○年にA新聞社に入社。取材記者として地方自治体や中央官庁のほか、B業界、C業界などを幅広く担当、記者会見やニュースリリースのフォロー、インタビュー、連載・特集記事の執筆に取り組むとともに、○年からは整理記者として紙面編集を担当しています。
Word上では3行程度にまとめるとよいでしょう。
ここでは過度に自己PRする必要はありませんが、②職務経歴のポイントを押さえ、どのようなキャリアを築いてきたのかが一目で分かるように記述します。
職務経歴は時系列で
次に②職務経歴に進みます。
こちらはすでに作成済みだと思いますので、時系列で内容を記載していきます。
職務経歴の記述は一般的に、「編年体式」(キャリアを時系列に並べる書式)、「逆編年体式」(時系列を逆にして最新のキャリアから伝える書式)、「キャリア式」(職務内容ごとにまとめた書式)の3タイプがありますが、新聞記者が異業種・異職種に転職する場合は「編年体式」で構いません。
現在の仕事と転職先の業務が結びつくのであれば、「逆編年体式」や「キャリア式」もアピールしやすくて活用できるのですが、今回は忘れてもよいでしょう。
以下の要領で時系列ごとに業務概要と取組内容を記載していきます。
(例) ○年○月~○年○月 A新聞社入社、B支局に配属。取材記者として、県・市などの地方行政を担当するとともに、同地方に拠点を置く大手企業の動向もフォロー (主な取り組み) 記者会見やニュースリリースのフォロー、各種インタビュー、審議会・委員会関連の取材などに幅広く従事。日々のニュース報道のほか、○○をテーマに自治体や地場企業、地域の経済団体などに取材してまとめた特集企画にも取り組む ○年○月~○年○月 東京本社編集局経済部に異動……。
そして③自己PRです。これも作成していますので、その内容を貼り付けましょう。
(例) ─自己PR─ ○日々の取材だけでなく独自企画に注力してきました 取材記者として日々のニュースを追うことはもちろん、地道な取材に基づく独自の企画に注力してきました。○年には●●のような問題意識を持ち、A取材の企画を立案。部署をまたいだグループ取材を取りまとめるとともに、デスクや取材先などと綿密な調整を行い、1面でのニュース記事、さらには全○回の連載記事を報道、一連の記事が社長賞にノミネートされました。常に新しいネタを探して、月に2本以上の独自企画を提案できるよう、日々努めてきました。
そして最後は④現職企業概要です。
ここは自社のウェブサイトに掲載されている事業内容や発行部数などをデータとして記載すれば問題ありません。
(例) ─企業概要─ 社 名:A新聞社 従業員数:○人 事業内容:全国紙の発行、イベント事業など 発行部数:○万部
職務経歴書のドラフトが完成!
職務経歴書に記載する内容は以上となります。
A4・1~2枚に収まったでしょうか?
新聞記者の皆さんはWordを使うことはあまりないかもしれませんが、見出しや箇条書き、太字、下線などを適宜使用していくと、さらに読みやすくなりますよ。
また複数枚になる場合は、表や記載内容が途中で途切れない方が望ましいですね(表の途中で次ページにジャンプすることなどは避ける)。
またこれはできる範囲で構いませんが、改行の位置にも配慮するとさらに読みやすい資料に仕上がります。
とにかく大切なことは「読み手」を意識してつくること。
間違っても「新聞記者なのにこんな編集しかできないの?」などと思われないようにしましょう。
ちなみに上記の内容を書面に落とし込んでみると、以下のようなイメージになりますので参考にしてみてください。
職務経歴書フォーマット例-1なお上記では自己PRが1つしかありませんが、実際には3つぐらいあるとバランスが良くなると思います(その場合には2枚になりますね)。
これでひとまず職務経歴書のドラフトは完成です。お疲れ様でした!
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