【コーヒーブレイク】コンサル就職人気の摩訶不思議。私がオススメしない理由

コーヒーブレイク
スポンサーリンク

大学生の就職人気でコンサルの勢いが止まらないそうです。東大や京大を出たような優秀な人材が外資系に流れるということは(日系もあるのでしょうが、コンサルは外資系のイメージ)、当たり前ですが外国を利することにつながり、というか仕事内容を考えると人材の無駄遣いと言えないこともなく、天から授かったその能力は日本の国家や社会のために使ってほしいと願ってやみません。

まぁ、私は国士でもないので進路は人それぞれだとも思うのですが、以前ご紹介したように(⇨「記者の転職先を考える① どこに転職できるかが問題だ」)、個人的にはコンサルに代表される機能会社への就職や転職はオススメしません。仕事内容やその後のキャリアが「悪い」とまでは言えないものの「何とも微妙」だと考えるからです。

確かに、コンサルにしろ広告代理店にしろPR会社にしろ、サービスという形のないものを扱っている性質上、クライアントにも求職者にも自社や仕事内容を必要以上によく見せることが宿命となっていますから、良い印象を持ってしまうのは仕方ありません。

やりがいのありそうな難しい仕事をして、取引先の大手企業にプレゼンし、次のキャリアの可能性も広がる。もちろん激務なことは知っているけれど、そこは織り込み済み。日系企業で雑巾掛けでこき使われるよりマシだし、何年か頑張ってスキルを付けてやる。それに給料だって悪くないし。みたいになるのかなと推察しますが、いかがでしょうか?

そして先ほど「悪い」とまでは言えないと記しましたが、確かにこれが嘘でないことも事実です。それなりに頭を使う仕事をするし(資料の作り込みとか?)、クライアントは大手企業だし、コンサルからの転職者は確かにたくさんいます。だから悪くはないのですが、今のコンサルに入るようなハイスペックな人材にとって「良い」選択かと聞かれると、やっぱり微妙と答えざるを得ません。

それはコンサルに仕事をお願いしたり、コンサル出身者を受け入れたりする企業側から見るとよく分かります。プロフィールに記載の通り、私は売上高1兆円以上の会社に勤めており、コンサルに発注している仕事も多々あるのですが、そんなにうま味のある業務は出していません。どちらかというと、ひたすら手間がかかる仕事を単純作業込みでやってもらう、いや社内のトーンを正確に表現すると「やらせよう」というケースが多いです。

データや事例の集計から資料づくり、依頼内容に関する提案とダメ出し受け(カッコよく言うと「レビュー」ですか)、その修正までをパッケージで行い、「請求額が高い割にはこんなものか」と陰口を叩かれ、役員向けのプレゼンではプロジェクトの内容より来期の価格交渉が主な議題となり、社内の風向きが悪くなると契約の延長はなしという、ちょっと極端な表現ではありますが、実に何ともな仕打ちを受けています。

確かにやっていることをそのまま記せば謳い文句通りかもしれませんが、誤解を恐れずに言えば、日本社会ではこのような取引先は一般的に「業者」とか「下請け」と呼ばれて、良し悪しはともかく、キラキラしたイメージからは最も遠いところにいると言っていいでしょう。

マスコミからの転職を支援する「プレスゲート」
マスコミ関係者向け転職支援・相談・コンサルティングを展開する「プレスゲート」です。新聞、出版、放送関係者で異業種・異職種への転職をお考えの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

さらにその先にある転職後のポストコンサルキャリアも何とも微妙な印象です。一昔前は知りませんが、今ではコンサル出身者なんて珍しくもなんともなく、転職者として受け入れても「そうですか」ぐらいなものです。少なくともコンサルというだけで「凄い」とか「よくウチに来てくれた」とは思いません。

さらにこのあたりは頷いてくれる事業会社の人も多いのではないかと思いますが、実務はできるけど頭でっかちで、調整ごととか根回しとか、あるいは誰もやりたくないけど誰かがやんなきゃならない面倒ごと(他部署からの依頼とか○○委員会とか)などの汗をかく仕事に消極的な人が多い印象です。もちろん全員がそうでないことは承知しているのですが、私の周囲のニュアンスとしては「あの人すごい非協力的なんですよね」「どっかのコンサルから来た人でしょ」「あぁ納得」みたいな感じがあることも事実です。

ついでに「どうせ何年かしたらまた転職するんでしょ」みたいに腹の底では思われていたりします(が、意外と転職する人は少ないようで、なら最初から事業会社で良かったんじゃないかと思ったりもします)。

もちろんそれでいじめられるようなことはありませんし、現実に転職はしやすそうなので「悪い」とまでは言えませんが、コンサル出身者=超優秀=事業会社に転職すれば部長待遇で迎えられる、なんてことはまずもってなく、やっぱり「何とも微妙」の域を出ないなと思ってしまうのです。

新卒者だけでなく転職希望者にもコンサルを検討する人は多いようですが、一度立ち止まって彼らのビジネスモデル、立ち位置、ほんのりと漂う胡散臭さについて考えてみることをオススメします。個々のコンサルについて言えば真面目でよくやってくれる人が多い印象ですが、だからこそ人材の壮大な無駄遣いと思わないこともないのです。

もっとも就職先人気なんて「美人投票」みたいなものですから、誰も本質なんて考えていないのかもしれませんね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました