【コーヒーブレイク】大企業正社員から見た受験のコスパ

コーヒーブレイク
スポンサーリンク

新聞社や一般大企業を渡り歩いてきて驚いたことの一つに、社員に中高一貫校出身者が割と多いということが挙げられます。いわゆる中学から私立に通い、有名大学に進学というコースを通ってきた人たち。地方の公立校出身の私としては「都会ってすごいなー」と感心したものです。

で、世間一般ではこのことを指して、親の収入の多寡が子の格差につながる、ケシカランと批判していて、それは確かに一面の真実だとも思うのですが、私はもうちょっと意地悪な見方をしています。

そもそも受験生やその親は何を目的に勉強や学費捻出を頑張るのでしょうか。人生の可能性を広げたい、恵まれた環境で学生生活を送りたい(送らせてあげたい)。色々と希望に燃えて頑張っていることでしょう。そして多くの人はその先に控える将来の仕事や就職も視野に入っていることだと思います。

教育には多額の費用がかかるため、よく投資に例えられます。私自身は教育に金銭的なリターンを求めていないので投資とは思っていないのですが、仮に投資とした場合、将来の行き着く先が大企業正社員とか公務員とかならリターンとして小さすぎて、必要以上に資金を投じるのは疑問だなというのが正直なところです。

確かに親の経済力である程度の学歴は手に入るでしょうが、それがそんなに旨味のあることなのか、格差、格差と騒ぐ前に、あるいは受験、受験と血眼になる前に、もうちょっと冷静になってみてもよいのではないでしょうか。だってサラリーマンなんて面白くないし、大して稼げないっすよ? 複数の大企業を経験した私が言うので、間違いありません!

マスコミからの転職を支援する「プレスゲート」
マスコミ関係者向け転職支援・相談・コンサルティングを展開する「プレスゲート」です。新聞、出版、放送関係者で異業種・異職種への転職をお考えの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

もちろん大企業や官公庁は相対的に中小企業や非正規雇用(日本では大卒、高卒といった学歴の違いによる収入の差よりも、企業規模、あるいは雇用形態の違いによる賃金格差の方が大きいと言われます)に比べて恵まれているのは事実でしょうが、幼い頃から塾通いして、多額の費用(私立は公立の2〜3倍の費用が必要とか)を投じることを考えると、見返りとしてはあまりにも小さいような気がします。

相対的に恵まれている待遇だって、みんなタダで貰っているわけではなく働いた対価として得ているわけですし、頑張った先にある生活としてはそんなに良いもんじゃないよと言いたいわけです。はい、夢がなくてスミマセン。でもやっぱり必死になって目指すもんじゃないっすよ。

戦前は官僚の身分が今とは比べ物にならないぐらい高かったようですし、民間企業の課長も今の年収換算で数千万円ぐらいを得ていたそうですから、勉強というか受験を頑張る意味はあったでしょう。

今は旨味のある就職先なんてほとんどありませんし(サラリーマンは時間給なので、高収入の場合は残業が多いか、負荷が大きい=単価は高いのいずれかです)、旨味のありそうな投資家や起業家になるには学歴は必要ありません。

「【呟き】サラリーマンは利益率が一定のビジネス」

つまるところ教育を投資として捉えてしまうと、出資するインセンティブはあまりないということになってしまうのです。

とはいえ私は先述したように、教育に金銭的なリターンを求めていないので、優秀な仲間との出会いや、充実した学校生活、あるいはいじめの回避などを求めて、受験を頑張ること自体は否定しません。公立にも問題が多いことは私もよく知っていますし。

ただそれでも多額の教育費が日本人の生活を圧迫していることは間違いないと思うので、新入社員を受け入れる立場の大企業社員から老婆心ながら一言。

入社1年目の時点で、能力的にもうほとんど伸びしろがない人が散見されます。能力が伸びきってしまったことを安易に受験勉強のしすぎと結びつけるのは危険ですが、人生の最盛期があまりにも早く来てしまうことは少し可哀想だと思わなくもありません。

人生スタートダッシュが大事とばかりに、小学生のうちから過剰な競争をすることが、本当に本人のためになるのか、また社会にとって有益なのかは、よくよく考えた方がよいと思います。

人生は社会に出てからが本番なのですから。

「【コーヒーブレイク】ロスジェネ世代、既卒でマスコミ就活してた頃」

コメント

タイトルとURLをコピーしました