ここまで私の実体験を踏まえ、転職活動で重要と思われるポイントを心構えとして長々と説明してきました。新聞記者(とメディア関係者)の皆さんに限定した教訓ではなく退屈だったかもしれません。でも実はもう転職活動の基本方針はまとまっているのです。
目的をあいまいにしないこと
ここまで読んでくれた皆さんは、何のために転職をするのかは、もう明確になっていることだと思います。
私の場合は、紙媒体の行く末が不安だったため「将来にわたって家族の安定的な生活を確保するため」でした。
もちろんこれは私の場合であって、もっと面白い仕事に取り組みたいでも、新聞業界が合っていないので別の業界で栄達を目指すでも構いません。
ただし目的を明確にしておく必要性は改めて強調しておきます。
それは自分の持っているリソース(時間、お金、労力)には限りがあるため、何にどの程度投下するかという優先順位をつけなければならないからです。
例えば私の場合、家族のことを考えて転職を決意したわけですから、奥さんに納得してもらうように努めることは不可欠なわけです。
⇨「嫁ブロックを避けるためにできること。転職活動のこと、そろそろ家族に伝えましたか?」
反対に最先端の企業でかっこよく働くことは必須ではありません(そりゃ、できればその方がいいですが)。
組織論の名著『失敗の本質』(戸部良一ほか、中公文庫)でも「あいまいな戦略目的」は失敗の元だと指摘しています。
目的があいまいだと、今後具体的に転職活動が進んでいったときに軸がぶれてしまいますから、ここは自分と向き合ってよーく考えておきましょう。
これだけは絶対に守りましょう
あとは心構えでくどくど話してきた内容を振り返ってもらえれば、基本方針はすぐに理解できるはずです。
つまり、今の会社での勤務は続けながら、自分自身の目的に合った新しい職場を見つけ、家族にきちんと納得してもらい、きれいに退職して転職先に定着する。
え、これだけ? 当たり前じゃんと思うかもしれません。
もちろん戦術的に細かいところ(キャリアの棚卸しや書類の書き方、面接、退職交渉の仕方などなど)はありますので、それらは今後説明していきます。
でも私の実体験をベースにしても、基本方針は本当にこれだけで十分です。
逆に言えばこれだけは絶対に守らなければなりません。
世の中には目的を考え抜くこともせず、お金のことを考慮しないで現職をすぐに辞め、スカウトがあったからと自分に合わない会社を選び、円満な退職も着実な定着もできない人がたくさんいます。
心構えの中ではあえて内定に関することに触れませんでしたが、それは内定を取るだけだったら難しくはないからです。
繰り返しになりますが、内定を取ることが目的ではありませんし、内定を取ったからといって成功したことにはなりません。
人によって目指すところは違っても、より良き人生を送るために転職をするわけですから、そのためにも上記の基本方針だけは押さえておいてほしいと思います。
いよいよ具体的な活動に
さてここまでで大まかなロードマップができました。
これらを念頭に置きながら、いよいよ新聞記者の具体的な転職活動の進め方に入っていきましょう!
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