前回、最終面接では一次面接と同じ内容を伝え、似たような印象を与えるようアドバイスしました(⇨「最終面接では有休を。現職を切り捨てても万全に!」)。ただ面接の雰囲気自体は一次とガラッと変わり、いわゆる新卒の就活時のような「面接試験」といった趣きが強くなります。今回は、最終面接の雰囲気、会場、質問内容について解説します。
マスコミ業界からの脱出切符をぜひ!
最終面接——。
仕事が終わった後に求人票チェックや書類作成を行い、時間の合間を縫って一次面接に臨んで、本当に選考を進めるべき企業なのかまでを吟味して、やっとここまでやってきました。
あと一息です。
この最終面接を無事に突破して、マスコミ業界から脱出する切符をぜひ手に入れましょう!
さて最終面接と聞くと何だか身構えてしまいますが、そんなに心配することはありません。
前回触れたように、最終面接は一次面接で下された判断を決裁権のある上層部が再確認する場ですから、一次と同じように振る舞えば問題はないのです。
とはいえ懸念されるのが最終面接の雰囲気に飲まれてしまうことです。
一次面接とは異なる堅苦しい雰囲気
一次面接は比較的ざっくばらんな雰囲気の中で進んだことだと思いますが、最終面接は面接官の年齢層も高く、また役員や所属長という立場もあって格式張った面接になりがちだからです。
そう、新卒の頃に経験したあの面接の雰囲気が戻ってくるのです。
まず面接の部屋の趣きが違います。
一次面接では記者が取材する時にも使用するような普通の会議室だったと思いますが、最終は役員応接室のこともあります。
社長インタビューの時なんかに通されるあの部屋で、立派な絵が飾ってあったり妙に外の眺めが良かったりすると、それだけで何だか緊張してしまいますよね。
役員応接室ではなくとも、いわゆる「ザ・面接」という雰囲気はどこの会社も同じでした。
面接の進め方も「ノックしてお入りください」の流れで、何となく挨拶してたら面接に入ってたみたいな一次とは大きく異なります。
その上、面接官として座っているのはだいぶ年が離れた苦虫を噛み潰したような表情のオジサンたち。
実際は普通に真顔をしているのでしょうが(笑うような場面でもないですし)、雰囲気に飲まれると表情まで恐ろしいものに見えるから不思議です。
要するに振る舞いや伝えるべきことは一次面接と同じでも、応募者の受ける印象としては大きく違うということです。
でも伝えることは基本の3点のみ
さて、ではこんな仰々しい雰囲気の面接なのですから、さぞかし鋭い質問が飛んできそうな気がします。
複数の面接官からあれやこれやと根掘り葉掘り聞かれて、冷や汗かきまくりなんて状況を想像してしまいますよね。
でも最終面接で聞かれることも、これまでに説明してきた①志望動機、②自己PR、③転職理由の3点です。
⇨「転職の面接で聞かれることはこの3つ。志望動機、自己PR、○○○○」
役員や所属長クラスは現場の日々の業務までは把握していないため、具体的なスキルに関する質問は少なくなり、反対に転職理由に対する比重が高くなるという傾向はあるかもしれません。
でもこれまでに準備してきた内容をきちんと伝え、一次面接と同じような印象を与えられればまったく問題はありません。
はっきり言って、最終面接において最も重要なことは、その場の雰囲気に飲まれないこと、ただ一点と言っても過言ではありません。
だからこそ今回の記事では面接の部屋や進め方などの細部に言及しています。
入社後に重みを増す最終の面接官
なお面接官は別に皆さんを攻撃しようとしている敵ではありません。
むしろ内定が出て入社することになった場合、皆さんの入社を承諾した責任者として、陰に陽に動いてくれる可能性がある人です。
特に志望部門の担当役員は採用においても、入社後においても極めて重要なので、事前に会社のホームページで名前や顔を確認の上、面接当日はその人にアピールするようにしましょう(役員クラスは会社概要ページに記載があることがほとんどです。ちなみに面接に同席している人事担当役員は、入社後に関わることはほとんどありません)。
私の経験上、面接の評価という意味では一次の面接官である直属の上司(となる人)の方が重要ですが、最終的にその会社で上手くやっていけるかどうかは、所属長・役員クラスである最終の面接官との関係が非常に重要になります。
その会社での処遇はもちろん、トラブル時の対応を含めて、大きな事項の全てに関わるのがその人だからです。
面接という特殊な場で、しかも初対面だから気難しそうに見えるだけで、入社後に挨拶に行ったら気の良い親分肌の人だった、なんてこともよくあります。
だから雰囲気に飲まれそうになった時にはそのことを思い出して、落ち着いて受け応えするといいでしょう。
時には縁がないことだってあるさ
なお希望年収は必ず聞かれると思いますので、根拠とともに希望額は必ず伝えるようにしてください。
また一次面接の時と重複しても構わないので、今回の採用目的や入社後に期待される成果など、疑問点については最後の逆質問の時間に確認しておきましょう。
さて、ここまできちんと準備して本番に臨んでも、時には落ちてしまうこともあると思います。
その際には「ああ言っておけば良かった、こう言っておけば良かった」と感じることも多々あると思いますが、明らかな失敗以外はあまり引きずらない方が賢明です。
というのも、採用側としても保険をかけて(?)最終面接に複数人上げている場合があるからです(私も転職後に中途採用のアレコレを見てきました)。
既に採用候補の順位はついているものの、第一候補者に辞退された時のために備えておくという理由で最終に残っていた場合、第一候補者が内定を承諾した時点で、それ以外の応募者の可能性はなくなります。
汚いと思うかもしれませんが、求職者側の私たちも複数の求人を見比べているわけですし、これも一つの縁だと考えて前に進むことをオススメします。
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