記者の転職を戦略的に考える② 面接の逆質問で転職先のニーズを見極めよう!

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前回(⇨「記者の転職を戦略的に考える① 強みを把握し、効果的なアピールを」)、記者出身者の転職における強み、弱みを考察しました。今回はこれらの強みを最大化し、弱みを打ち消す方法を解説します。鍵を握るのは「顧客ニーズ」、すなわち応募先の企業が何を求めているかです。

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彼を知り己を知れば百戦殆うからず

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前回のおさらいになりますが、強み、弱みは「競合」(同一求人への応募者)、「顧客ニーズ」(応募先の企業が求めるもの)の間で相対的に決まります。

私の推奨する「事業会社の広報」に転職する場合、記者出身者の強みは以下となります。

  • マスコミ内部の事情に精通していて、効果的な情報発信が可能
  • 取材や執筆、撮影といった作業をこなせ、編集のポイントが分かる

反対に弱みはこちら。

  • 広報の実務経験がない
  • 事業会社での実務経験がない

これらの強みを生かして競合の弱点を突くとともに、自分自身の弱みを打ち消すことが戦略の基本となります。

とはいえ強みはともかく、実務経験がないという弱みは決定的で、転職前の段階では実務経験など積みようもありません。

本当に弱みをなくすことなどできるのでしょうか?

ここで鍵を握るのが「顧客ニーズ」。競合に加えて、今回は応募先の企業の置かれた状況も考察してみましょう。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」です。

今回の採用背景を重視する

さて企業が人材を募集する理由は様々ですが、ざっくり分けると以下の2パターンになります。

一つは「欠員補充」、もう一つは「業容拡大に伴う増員」。

欠員補充は説明不要ですね。前任者の退職や休職を受けて新たな人材を募集するものです。

業容拡大に伴う増員には様々なパターンがありますが、急激に組織の規模が大きくなって人が足りなくなった場合や、新たなことにトライしようとしても社内に適任者がいない場合などが該当します。

求職者としては案外、このあたりの採用背景には無頓着だったりするのですが、実は極めて重要な要素となります。

記者出身者は欠員補充に不向き

まず欠員補充に当たって企業側が求める要件を考えてみましょう。

何か新しいことにトライしようというよりかは、日々の業務に必要な人をすぐに補充したいわけですから、既存の仕組みの中で滞りなく仕事を回せ、早く独り立ちできる人材を求めているはずです。

もうお分かりだと思いますが、このような場合は実務経験者が有利となり、記者出身者は相対的に不利になります。

広報の実務経験はおろか、一般企業での勤務経験もなく、プレゼンやエクセル操作もおぼつかない私たちに入り込む隙はありません。

未経験者では、日々の業務を回すだけなのに教育コスト(お金、時間、労力)がかかりすぎて、それなら新卒を採用した方が良いくらいです。

ですからこうした求人では、私たちの強みが生きず、むしろ弱みが目立ってしまうでしょう。

「勝ち易きに勝つ」のが戦略の定石

一方、業容拡大に伴う増員はどうでしょうか?

新たな分野への挑戦を狙っていたり、社内にいないような人材を採用して改革を図ろうとしていたり(実際はそんなに簡単には改革できませんが…)するので、実務経験がなくとも割り込むチャンスがあります。

「広報体制は整えているけれど、マスコミ対応をさらに強化していきたい」なんて求人が該当しますね。

このような場合、実務経験がないことはそれほど大きなマイナス要因ではありませんし、私たちは補って余りあるようなスキル、経歴を有しています。

もちろん競合にもマスコミ対応が上手な人はいるでしょうが、マスコミの論理や行動基準を肌感覚で分かる人は少ないでしょうし、実務経験だけなら応募先の社内にいる既存メンバーとの差別化も難しいはずです。

このような採用背景がある企業には、自らのパーソナリティに加えて、記者出身者ならではの強みを上手くアピールしてみると良いでしょう。

求人数は決して多くはありませんが、こうした角度から転職活動を進めていくときっと勝率は上がるはずです。

孫子の兵法にならえば「勝ち易きに勝つ」のが戦略の定石なのですから。

面接の逆質問でニーズを引き出す

では企業側のニーズはどうやって探ればいいのかというと、何のことはない、求人票にも記載があるでしょうし、転職エージェントに聞いても教えてくれます。

「想定年収額には要注意!転職求人の見方は?」

「転職の第一歩はエージェントへの登録から!」

さらに突っ込んで知りたい場合には、面接での逆質問を活用してもよいでしょう(「最後に何か聞きたいことはありますか」というアレです)。

私は、①今回の採用の目的、②入社後に期待する成果、の2点は必ず聞いていました。

企業側のニーズを探ることは、内定を取りやすくする狙いも確かにありますが、自分が提供できるスキルとマッチしているかを確かめて、幸せな転職を実現することにもつながります。

闇雲に転職活動するのはやめよう

さて記者出身者の強み、弱みを明らかにするとともに、それをどこで発揮、あるいは打ち消すかを考察してきました。

ただでさえ求人数が少ないので、必ずしもこのような企業だけを狙う必要はありませんが、一方で闇雲に転職活動をしていても「お見送り」続きになってしまいます。

書類選考や面接が思うように進んでいない方は、こうした考え方も頭の片隅に置いて、作戦を練り直してみてはいかがでしょうか?

引き続き健闘を祈ります!

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