デスクの文句はやめて!「転職理由」は前職の悪口を言うことではありません—面接の回答例

一次面接
スポンサーリンク

前回(⇨「転職の面接で聞かれることはこの3つ。志望動機、自己PR、○○○○」)、転職の面接では「志望動機」「自己PR」「転職理由」に質問が集約されることをご説明しました。そこで今回は新聞記者の職歴を基に具体的な回答例を考えてみましょう。ポイントは、タイトルにも掲げている通り、転職理由を前職(現職)の悪口にしないということです!

スポンサーリンク

自己PR、転職理由、志望動機の順

マスコミからの転職を支援する「プレスゲート」
マスコミ関係者向け転職支援・相談・コンサルティングを展開する「プレスゲート」です。新聞、出版、放送関係者で異業種・異職種への転職をお考えの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

前回のおさらいになりますが、ごくオーソドックスな面接では、以下のような順序で質問を投げかけられることが多いでしょう。

「まずはご自身の経歴を簡単に紹介してください」(自己PR)

「これまで新聞記者をされていたのに、転職を検討している理由は何でしょうか」(転職理由)

「(転職理由を踏まえ)今回この求人に応募されたのはなぜですか」(志望動機)

もちろん順番は前後することがありますし、それぞれの間にさらに細かい質問が入ったりしますが、おおむねこの3つが軸となって面接が進んでいきます。

これらに対する回答を考察していきましょう。

職務経歴書プラスαを意識しよう

まず経歴紹介については、職務経歴書に基づき、簡潔に説明していくようにします。

注意すべきは一気に自己PRまでまくし立てたりしないこと。

面接はコミュニケーションですから、会話のキャッチボールを意識しましょう。

向こうもこちらのことを知りたがっているので、焦らなくてもきちんと聞いてくれます。

【自己PRの回答例】
Q.まずはご自身の経歴を簡単に紹介してください。

A.はい。○年にA新聞社に入社し、B支局に配属され、地方行政や地元企業の取材に携わりました。○年からは東京本社の経済部に異動し、中央官庁C省を担当するとともに、後輩記者の指導役を任されました。現在は整理部という紙面編集を担当する部署で、見出しを付けたり記事の割り付けを行ったりしています。(ここまでは経歴紹介にとどめる)

Q.特に業務を進める上で心掛けていたことを教えていただけますか。

A.はい。(ここから自己PRに入る)取材記者として日々のニュースを追うことはもちろんですが、地道な取材に基づく独自の企画に注力してきました。例えば○年には●●のような問題意識を持ってA取材の企画を立案し、他グループの記者も巻き込んで取材を進め、大きく報道することができました。なかなかすぐに結果に結びつくわけではないのですが、常に新しいネタを探し、目安として月に2本以上の独自企画を提案できるよう、日々努めています。

Q.今は整理部にいるのですね。こちらの部署ではいかがですか。

A.正直なところ取材記者の方がご説明しやすいというのもあるのですが(苦笑)、整理部も非常にやりがいのある職場です。毎日締め切りとギリギリまで格闘しながら、記事にぴったりの見出しを付けたり、読みやすい紙面に仕上げたりするのは、地味ではありますが、読者にニュースを伝える上で極めて重要な役割を担っていると感じています。良い見出しを短時間で捻り出すために、他紙の紙面を研究したり、語彙力を増やすように読書したりしています。

まずはこんな感じでしょうか。

この回答例は「職務経歴書を書いてみよう① キャリアの棚卸」「職務経歴書を書いてみよう② 自己PRをつくる」を下敷きにしてつくってみました。

なお、職務経歴書をなぞるのは悪くないのですが、それは読めば分かるので、経歴書に記載しなかったエピソードを一つ二つ盛り込めるとなお良いですね

嘘は避けるが、全てを話す必要はない

それではいよいよ鬼門となる「転職理由」です。

ここは私も反省点が大きいところで、正直ベースで話しすぎて失敗したことが何回もあります。

何というか「正直に話して落とすような会社なんてこっちから願い下げだ」という傲慢さあったように思います。

面接は確かにお互いを知る場ではあるのですが、だからといって何でも言えばいいというものでもありません。

例えば「現職は上司に問題があり、企画がろくに通らない上に、毎日のように怒鳴られていて日々ツライので転職します」などと言われたら、それが事実だったとしても、面接官は「ウチの会社でもすぐに文句を言って辞めちゃいそうだな」としか思えません。

確かにパワハラが本当にあるのであれば気の毒ではありますが、面接官はその裏を取りようがないのです。

また本当のブラック企業は除きますが、会社なんてものはどこも似たり寄ったりです(複数回転職した私が保証します)。

応募先の会社だって同じような悩みが居酒屋や喫煙所で愚痴られているでしょうし、「そんなに会社にユートピアを求められても」と尻込みされてしまうでしょう。

ここはお互いに大人という前提で、こう考えてみてはいかがでしょうか。

嘘を言って採用されるのはお互いに不幸になるが、別に全てのことを明らかにする必要はない。

では転職理由を考えてみます。

【転職理由の例】
Q.現在もやりがいを感じられており、今後の活躍も期待できると思うのですが、どうして転職を検討されているのでしょうか。

A.正直なところ新聞記者の仕事は社会的な意義もあって、やりがいを感じており、続けたいという気持ちもありました。一方で新聞社を取り巻く環境は、インターネットやスマートフォンの普及で、非常に厳しいと言わざるを得ません。もちろん残って業績を好転させるべく頑張るという道もあるのですが、一方で私にも家族がおり、将来性を考えると新たな道を歩んだ方が良いのではないかという結論に達し、転職活動を始めました。

Q.そのような理由であれば、当社のような異業種ではなく、ネットメディアのような業界も考えられるのではないかと思うのですが。

A.確かにその通りで、ネットメディアを選択肢から除外しているわけではないのですが、転職を検討するに当たり、自分自身のキャリアや志向を改めて考えました。記者というのは報道を通じて社会に貢献する仕事ですが、一方で自身が当事者になることはない職種です。これまでに○○の取材などを通して、直接世の中に働きかける事業会社の役割を素晴らしいと感じていました。新たな道を探るに当たり、もし自分自身が培ってきたスキル、経歴が生かせるのであれば、事業会社もぜひ検討したいと考え、今回応募いたしました。

これはあくまで例ですので、自分自身の思いと向き合った上で、上手くオブラートにくるんで話していただければと思います。

これで納得してもらえない場合は「どうもよく分からないな」とか言われたりします(特に保守的な会社)。

でも自分の考えに向き合って、よくよく説明してもダメだったら、それこそ「正直な話をして落とすような会社なんてこっちから願い下げだ」ぐらいで良いと思います。

綺麗な理由があったからと言って転職後のパフォーマンスにはあまり関係ないですし、そういう会社はきっと転職者の受け入れも上手くないでしょうしね。

「転職の心構え④ 定着までが転職活動」

3つを上手くつなげるストーリーを

さて最後に志望動機です。

こちらは先ほどの転職理由とセットで答えるようにしましょう。

なお新卒一括採用ではないので、どうしても御社に入りたいみたいな言い方をする必要はありません(たまたま転職活動と求人のタイミングが合っただけですし…)。

【志望動機の例】
Q.転職理由、異業種を志望する理由は分かりました。その中で当社のこの職種に応募された理由を教えてください。

A.まずは転職エージェントから求人を紹介されたのが最初のきっかけとなりますが、御社は○○のような事業を手掛けており、社会的なインパクトが大きいと感じています。私がもともと記者を志したのも社会に貢献できると思ったからで、もちろんビジネスなので業績面も大切なのですが、仕事を今後長く続けていく上で、自分自身の志向にも合致しているのではないかと思いました。そのような事業を展開する御社の、編集と親和性のある○○業務で自身の力を発揮したいと考えております。

少し優等生過ぎるかもしれませんね(笑)。あくまでイメージとして捉えてください。

何にしても「自己PR」「転職理由」「志望動機」はつなげて説明できた方が説得力が増すので、ぜひご自身のストーリーを上手につくってみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました